御文章

信心獲得章 五帖目 第五通

信心獲得章 五帖目 第五通

本文  信心獲得すといふは第十八の願をこころうるなり。この願をこころうるといふは、南無阿弥陀仏のすがたをこころうるなり。 このゆゑに南無と帰命する一念の処に発願回向のこころあるべし。これすなはち弥陀如来の凡夫に回向しましますこころなり。これを『大経』に ...

本文  信心獲得すといふは第十八の願をこころうるなり。この ...

一念大利章 五帖目 第六通

一念大利章 五帖目 第六通

本文  一念に弥陀をたのみたてまつる行者には、無上大利の功徳をあたへたまふこころを、『和讃』に聖人のいはく、「五濁悪世の有情の 選択本願信ずれば 不可称不可説不可思議の 功徳は行者の身にみてり」。 この和讃のこころは、「五濁悪世の衆生」といふは一切われ ...

本文  一念に弥陀をたのみたてまつる行者には、無上大利の功 ...

五劫思惟章 五帖目 第八通

五劫思惟章 五帖目 第八通

本文  それ五劫思惟の本願といふも、兆載永劫の修行といふも、ただわれら一切衆生をあながちにたすけたまはんがための方便に、阿弥陀如来、御身労ありて、南無阿弥陀仏といふ本願をたてましまして、「まよひの衆生の一念に阿弥陀仏をたのみまゐらせて、もろもろの雑行を ...

本文  それ五劫思惟の本願といふも、兆載永劫の修行といふも ...

聖人一流の章 五帖目 第十通

聖人一流の章 五帖目 第十通

本文  聖人一流の御勧化のおもむきは、信心をもつて本とせられ候ふ。 そのゆゑはもろもろの雑行をなげすてて、一心に弥陀に帰命すれば、不可思議の願力として、仏のかたより往生は治定せしめたまふ。 その位を「一念発起入正定之聚」とも釈し、そのうえの称名念仏は、 ...

本文  聖人一流の御勧化のおもむきは、信心をもつて本とせら ...

無上甚深章 五帖目 十三通

無上甚深章 五帖目 十三通

本文  それ、南無阿弥陀仏と申す文字は、その数わづかに六字なれば、さのみ功能のあるべきともおぼえざるに、この六字の名号のうちには無上甚深の功徳利益の広大なること、さらにそのきはまりなきものなり。 されば信心をとるといふも、この六字のうちにこもれりとしる ...

本文  それ、南無阿弥陀仏と申す文字は、その数わづかに六字 ...

白骨の章 五帖目 第十六通

白骨の章 五帖目 第十六通

本文  それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おおよそはかなきものはこの世の始中終、幻のごとくなる一期なり。 さればいまだ万歳の人身を受けたりいふことを聞かず、一生過ぎやすし。いまにいたりてたれか百年の形体をたもつべきや。我や先、人や先、今日とも知 ...

本文  それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おおよそ ...

経釈明文章 五帖目 第二十一通

経釈明文章 五帖目 第二十一通

本文  当流の安心といふはなにのやうもなく、もろもろの雑行雑修のこころをすてて、わが身はいかなる罪業ふかくとも、それをば仏にまかせまゐらせて、ただ一心に阿弥陀如来を一念にふかくたのみまゐらせて、御たすけ候へと申さん衆生をば、十人は十人百人は百人ながらこ ...

本文  当流の安心といふはなにのやうもなく、もろもろの雑行 ...