入門講座

【後記】第一段 第二節

【後記】第一段 第二節

〔本文〕  聖人のつねの仰せには「弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、ひとへに親鸞一人がためなりけり。されば、それほどの業をもちける身にてありけるをたすけんとおぼしめしたちける本願のかたじけなさよ」と御述懐候ひしことを、いままた案ずるに、善導の「自身 ...

〔本文〕  聖人のつねの仰せには「弥陀の五劫思惟の願をよく ...

【後記】第一段 第三節

【後記】第一段 第三節

〔本文〕  いづれもいづれも繰り言にて候へども、書きつけ候ふなり。 〔取意〕  どれもこれも同じことの繰り返しではありますが、八箇条の異義について、その背景である自力の計らいと、所論の問題点についてさまざま論じました。心配のあまり書き記すの ...

〔本文〕  いづれもいづれも繰り言にて候へども、書きつけ候 ...

【後記】第二段

【後記】第二段

〔本文〕  露命わづかに枯草の身にかかりて候ふほどにこそ、あひともなはしめたまふひとびと、御不審をもうけたまはり、聖人の仰せの候ひし趣をも申しきかせまゐらせ候へども、閉眼ののちは、さこそしどけなきことどもにて候はんずらめと歎き存じ候ひて、かくのごとくの ...

〔本文〕  露命わづかに枯草の身にかかりて候ふほどにこそ、 ...

【後記】第三段

【後記】第三段

〔本文〕  これさらにわたくしのことばにあらずといへども、経釈の往く路もしらず、法文の浅深をこころえわけたることも候はねば、さだめてをかしきことにてこそ候はめども、古親鸞の仰せごと候ひし趣、百分が一つ、かたはしばかりをもおもひいでまゐらせて、書きつけ候 ...

〔本文〕  これさらにわたくしのことばにあらずといへども、 ...

流罪の記録

流罪の記録

〔本文〕  後鳥羽院の御宇、法然聖人、他力本願念仏宗を興行す。ときに、興福寺の僧侶、敵奏のうへ、御弟子のうち、狼藉子細あるよし、無実の風聞によりて罪科に処せらるる人数のこと。 一 法然聖人ならびに御弟子七人、流罪。また御弟子四人、死罪におこなはるるなり ...

〔本文〕  後鳥羽院の御宇、法然聖人、他力本願念仏宗を興行 ...

蓮如上人識語

蓮如上人識語

〔本文〕  右この聖教は、当流大事の聖教となすなり。無宿善の機においては左右なく、これを許すべからざるものなり。 〔取意〕  この聖教は、わが浄土真宗本願寺の法流にとって、ことに重要な聖教とするものである。本願念仏の法に志のないものに対して ...

〔本文〕  右この聖教は、当流大事の聖教となすなり。無宿善 ...

『歎異抄』を読むに当たって

『歎異抄』を読むに当たって

一、著者 親鸞の晩年常随の弟子であった唯圓房。(一二二二      一二八九頃) 二、著作年次 親鸞没後二十年頃(一二八〇~一二八九)か。 三、真宗聖教としての本書の地位  カナ書きの聖教としては、これに先行し ...

一、著者 親鸞の晩年常随の弟子であった唯圓房。(一二二二 &nb ...

『唯信鈔』について

『唯信鈔』について

一、著者、安居院の法印聖覚 聖覚法印(一一六七~一二三五)少納言藤原通憲の孫・澄憲の子。天台宗の僧。 著名な唱導家。父と同じく洛北の安居院に住す。後に法然に師事。唱導教化をもって任とし、広く世に感化を及ぼした。法然これを「今こそ善導大師の専修念仏の広ま ...

一、著者、安居院の法印聖覚 聖覚法印(一一六七~一二三五) ...

『唯信鈔文意』親鸞聖人

『唯信鈔文意』親鸞聖人

唯信鈔という題号についての解説  『唯信鈔』といふは、「唯」はただこのことひとつといふ、ふたつならぶことをきらふことばなり。また「唯」はひとりといふこころなり。「信」はうたがひなきこころなり、すなはちこれ真実の信心なり、虚仮はなれたるこころなり。虚はむ ...

唯信鈔という題号についての解説  『唯信鈔』といふは、「唯 ...

『唯信鈔』聖覚法印(意訳)

『唯信鈔』聖覚法印(意訳)

(1) ― 本文 ―  そもそも、生死(無常・苦悩・迷い)を離れて仏の覚りを成就しようとするのに二通りの道があるといいます。一つには聖道門(釈尊の覚りを追体験しようとする行き方)であり、二つには浄土門(浄土に生まれかわってそこで覚りを開こうとする行き方 ...

(1) ― 本文 ―  そもそも、生死(無常・苦悩・迷い) ...