連研を取り巻く状況の変化

1. 受講対象者の質の変化

  • 一通りの聴聞を重ねた門徒・毎朝お内仏にお参りする習慣ある門徒・口は思いが法義には愛着と関心が深い門徒という連研発足当時の門徒とは全く違ってきている。
  • 日常、お内仏にお参りすることもなく、寺参りもしたことがなく、したがって作法も教義についても全くの初心者である。しかし、話し合いには抵抗をもたない世代である。

2. 主催者の目的意識の拡散

  • 門徒推進員を養成して、法座のあり方・寺のあり方・組のあり方を変えようという目標は、①中央教修受講率の低迷、②寺をどう変えたいのかの不明確さ、③初心者講座的現状、④参加僧侶・門徒にとっての学習の場としての高い評価、⑤組基幹運動推進委員会の組織的活性化の中核事業としての重要性の認知、⑤次代を担う門徒養成講座としての認識などの影でぼやけつつある。

3. 講師・運営スタッフの意識における教学的側面の変化

  • 僧侶研修会・組基幹運動研修会を通して学習が、教学理解に影響を及ぼしている。

4. 社会情勢の変化

  • 靖国問題においては、国家護持から、公式参拝、そして国立追悼施設開設案、イラクへの自衛隊派兵問題との絡みなど状況の変化が著しい。
  • 同和問題においても、同対法から、地対法、地対財特法をへて、現在の人権擁護法へと法的環境も変化してきている一方、宗門内差別事件が相次いで起こっているなど、問題点・視点の再整理が必要である。
  • 新宗教の浸食もさることながら、「神・天国・教会での結婚式」が若年世代に浸透しつつあり、「浄土・如来・念仏・法要」は急速に常識世界から消滅しつつある。

5. 教区基幹運動の進捗状況との整合

  • 差別問題との取り組みの基本としての、人権意識の啓発ということに教区の軸足をおくという方針を、具体化、徹底する方向での踏み出しが必要である。
  • 蓮如上人遠忌法要以来のテーマであるいのち・環境・家族の問題を視野におさめた研修を考慮すべきか。

6. 連続開催からくる受講者数の減少

  • 開催経費を受講料でまかなえず、組会計の負担となる。
  • 話し合いの班の数が少なく、全体としての盛り上がりに欠ける。
  • 受講者が出ていない寺院が増え、必要スタッフ数も少なくなるため、僧侶側の出席意欲を低下させる。