6. 法蔵菩薩永劫の修行と成仏、そして安楽浄土の建立
四十八の誓願を立て終わった法蔵菩薩は、その誓いを実現するため、永劫の修行と取り組まれた。あらゆる境涯に生まれ変わって徳を積み、何があろうと一瞬も我欲をおこすことなく努め励まれた。ただひとえに一切衆生に救いの光をもたらすためであった。そして遂に今から十劫の昔、誓願は成就して法蔵菩薩は成仏して阿弥陀如来となられた。
阿弥陀如来の開かれた世界は安楽とも極楽とも呼ばれ、広大無辺際であって、そこに生まれた者はいかなる者も浄化されて仏の覚りを開き、十方衆生の救済者となるのである。この安楽浄土の徳はしばしば大海に譬えられる。
一切の濁流を抱き入れて浄化し、一味の海水に変える、地球最大の浄化槽であるのが大海であるからである。
また、阿弥陀如来の放ちたもう智慧と慈悲の光は、誓いの通り十方の世界を遍く照らしその光の種類また無量であって、すべてを見通し自在に癒し導くのである。阿弥陀如来の寿命は無量にして、神々も菩薩たちも量り知ることはできない。